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差し押さえ(Levy)について [税金]

いつもブログをお読み頂きありがとうございます。

今回は、2月11日付けのブログの末文で映画に併せて簡単に説明した、差し押さえ(Levy)について書かせていただきます。

■差し押さえ(Levy)■

差し押さえは、Internal Revenue Service(IRS)が、自主的に納税しない納税者から税を強制的に徴収する際に用いる徴税方法である。

差し押さえは、納税者の持つ財産に対して行われるが、銀行預金等の第三者の下にある納税者の財産に対しても行われる。

さらに、IRSは、州税の還付小切手も差し押さえることができる。

ただし、財産の差し押さえ及びに処分にあたって見込まれる費用が、その財産の時価を上回る場合には、差し押さえを行わないことがある。

IRSが、差し押さえを行うためには、以下の法的用件を全て満たしている必要がある。

①IRSは課税を行い、納税者にたいしてその支払いの通知と要求を送付していること。

②納税者は、税の支払いを無視あるいは拒否をしていること。

③IRSは、差し押さえの30日前までに、納税者に対して差し押さえをする意思の最終通告を送付していること。

ただし、徴収が危険にさらされている場合(例えば、納税者が国外に逃亡を計画している場合)には、IRSはこの要件を満たすことなく、直ちに差し押さえ等の徴税行為を行うことができる。

■差し押さえの承認(Approve)■

差し押さえされた財産は、最終的に処分される。納税者の自宅の差し押さえは、税務署長又は副署長の承認が必要である。

ただし、徴税が危険にさらされている場合には、この承認が不要である。

■売却通知(Notice of proposed sales)■

IRSは、差し押さえた財産を処分するにあたり、公告(Public Notice)をする。

公告は、通常は新聞の紙面上で行われる。

同時に、納税者に対しても、売却通知の原本が郵便で送付される。

IRSは、売却通知の原本を送付してから、少なくとも10日間は売却をすることができない。

ただし、差し押さえた財産が腐敗しやすいものの場合には、直ちに売却をすることができる。

■財産の譲渡(Release of Property)

売却日までの間に、以下の事があった場合には、IRSは財産を譲渡する。

①納税者が、その資産に対する政府の持つ権利金額を支払った場合。

②第三者預託物(Escrow Arrangement)になった場合。

③納税者が十分な担保を提供し、これをIRSが受け入れた場合。

④納税者が、税の支払いに応じた場合。

納税者は、売却までの期間中、いつでも差し押さえられた動産を買い戻す権利をもっている。

この権利の行使をする為には、納税者は、利子・罰金及びに差し押さえにかかった全ての費用を含めた税額を支払う必要がある。

なお、不動産の場合には、納税者及びに当該不動産に利害関係を持つ者は、売却された日から180日以内であれば、購入者に対し購入金額と年利20%の利子を加えた金額を支払うことによって買い戻すことができる。

■売却手続き(Sale Procedures)■

売却によって得られた資金は、まず差し押さえ及びに売却にかかった費用に対して割り当てられる。

その上で、残金を税額に割り当てることになる。

売却によって得られた資金が、差し押さえ及びに売却にかかった費用と税額の合計に満たなかった場合には、納税者は、不足部分についての支払い義務を負い続ける。

なお、売却によって得られた資金が、差し押さえ及びに売却に掛かった費用と税額の合計金額を上回った場合には、その余剰部分は納税者に払い戻されることになる。

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Written by

Office T.Professional(オフィス ティー.プロフェッショナル)
米国税理士 小野 知史(Tomofumi Ono)

ホームページ http://www.tprofessional.jp
e-mail: info@tprofessional.jp
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